歴史的建造物が多数残るヨーロッパ。摩天楼から大草原の一軒家まで、広大な面積にさまざまな建造物が建つアメリカやカナダ。そして、古くから木や紙や土などで建物を作ってきた日本。世界地図で見ると、これらの地域は近しい緯度にありますが、気候や環境は全く異なります。
特に日本は、他の地域より夏の湿度が高く、地震が多いことで知られます。この2つは、建物にとって非常に「過酷」な条件です。なぜなら湿度が高いと建物にカビが生えて内部が腐る。地震が起きれば破損・倒壊の恐れがあり、共に建物の寿命を短くしてしまうからです。つまり日本では、日本の気候・環境に合った「地震と湿気に強い建物」こそが、本当に良い建物と言えます。ヨーロッパやアメリカ、カナダで高性能と言われる建物を日本に持ってきても、必ずしも日本の環境の中で優れた性能を発揮するとは言えないのです。